日本空気入ビニール工業組合 【お問い合わせ先】TEL:03-5829-9091 FAX:03-5829-9092
未来に広がる空気入ビニール製品

団体の沿革

【1958年】
空気入ビニール製品及び同フイルムの育成発展と輸出秩序の確立、業界の発展と安定化のため、全国一円とした「空気入ビニール製品工業会」(任意団体)を設立。
【1968年】
国際競争力の強化及び輸出振興と業界近代化を図るため、同工業会を発展的に改組し、中小企業団体組織法に基づく「日本空気入ビニール製品工業組合」と改組。現在に至る。

団体の歴史

【1951年】
日本において空気入ビニール玩具(以下、空ビ玩具と言う)の試作生産が開始される。同時に玩具用ダブリングフイルムが開発される。
【1953年】
空ビ玩具が初めてデパートで販売され、多くの注目をあびる。
【1955年】
特許「プラスチックフイルム同時接着裁断法」の実施権を得ることにより、空ビ玩具の生産が本格化する。ゴム製のボールや浮き輪に代わって空ビ製が主力となる。1958年には“フリクション付き(車付)空ビ玩具”の輸出が盛んになる。
【1959年】
全国ネットワークにより空ビ玩具のテレビPRを2カ月間にわたり実施する。東京国際見本市に工業会ブースを設けて展示出品する。空ビ玩具は輸出検査法及び輸出デザイン法の指定品目となり、空ビ玩具の輸出検査基準が制定される。
1960年には“ダッコちゃん”ブームとなる。
【1961年】
第1回空ビ玩具優良見本市及び新製品コンクールを(財)日本輸出雑貨センター展示場にて開催。通産大臣賞・東京都知事賞以下12点の入賞作品が決定される。
【1970年】
材料メーカー・(財)高分子センター、プラスチック玩具組合、空ビ空組合による合同委員会を設け、玩具の安全性確保のための推奨衛生基準(有害性重金属等)に係わる、フイルム・ゾル・インキ塗料・部品等の「材料登録規程」を策定する。
1971年(社)日本玩具協会の玩具安全基準制度(ST基準)の発足と同時に、同「材料登録規程」を玩具安全基準制度に組み入れ、安全性の確保と衛生検査の簡略化及び玩具安全基準制度の普及に寄与する。
【1972年】
STマーク(玩具安全マーク)“3ない運動”(ST基準に適合しない製品は作らない、仕入れない、売らない)を、玩具メーカー・問屋・販売店の製販業界を挙げて展開。当空ビ業界も「3ない運動」に積極的に参画し、STマークの普及に努める。
【1976年】
「プラスチック製空気入れボート・波乗り」に関する安全基準調査研究委員会において、製品安全法に基づく「空気入れボート・波乗り」に関する安全基準がまとまる。同基準は“業界自主規制”制度として、当空ビ組合の管理運用において実施し、当該製品の安全確保に努めることが決定された。
この年、“凧揚げ”による公害問題(電線・交通機関・感電死など)の発生に伴い、通産省や電力業界等からの要請を受けて本組合内に「タコ部会」を結成。洋タコ業界の組織化及び“たこ揚げルール”の決定、事故防止や安全対策を定め推進する。
【1977年】
空気入れボート・波乗り基準合格品による事故・ケガ等に備え、保険会社と契約し「生産物責任補償制度」を発足する。
【1980年】
観測史上、例のない“冷夏”となる。本組合は冷夏影響実態調査を実施し、国に対し「冷夏対策特別措置」を要望する。この年、国及び東京都において「冷夏対策特別融資」措置が講じられた。
【1981年】
不況・冷夏・輸入品の増加の情勢下において、「今後どのようにして生き残ってゆくべきか」をテーマに組合員経営懇談会や経営研修会を開催する。“タコあげルール”PRリーフレットを作成し、全国の教育委員会、交通・空港機関、電力機関、報道機関等に配布し理解と協力の呼びかけを行う。
【1984年】
プレミアム及びフアンシー分野の需要開拓を目的に「プレミアム向け空ビ製品コンクール」を開催する。東京おもちゃショーにおいても「プレミアム向け商品特別展示コーナー」が設けられ、各種のプレミアム向け玩具が一同に展示された。
【1985年】
底部に幼児の足の入る構造のボートに関する安全問題が提起され、1年間生産自粛。この間幼児モニターによる水上実験研究を重ね、安定性及び安全性確保のための「製造指導指針」を設定。
1988年安全性が確認されたため、同製造指針に基づく玩具安全基準組入れ案を日本玩具協会に答申、1989年同協会の承認を経て実施となる。
【1992年】
塩ビと環境問題がマスコミに取り上げられ、塩ビバッシングも起きる。塩ビ関連業界と今後の対応問題について協議を重ねるとともに、新聞広告、冊子類、パンフレット類を配布し、消費者や取引先に正しい理解を求める。また、この年本組合より日本玩具協会に答申の「ビーチボール」及び「空気入れビニールプール」に関する安全基準案が承認され、玩具安全基準に組み入れられる。
【1995年】
PL法(製造物責任法)が施行される。本組合は保険会社と契約して「PL団体保険」制度を発足し、会員の加入促進を図る。
また、PL対応セミナーを開催し、商品クレーム等の対応、PL注意表示ガイドラインの周知徹底、品質管理指導指針及び製造指導指針に基づく製品作りの徹底を図る。
【1997年】
‘96年改定ST基準に基づく「インキ塗料材料登録制度」構築のため、インキ塗料メーカー・高分子試験評価センター・プラスチック玩具組合・当空ビ組合とで新しい登録制度案をまとめ、(社)日本玩具協会に答申する。
【1998年】
‘98東京おもちゃショーに出品し、高周波ウエルダーによる“寅のマスコット人形”の試作実演、塩ビと環境問題のPR、新素材や新製品の展示、サッカーワールドカップ フランス大会日本初出場を記念した小間作りを行い注目を引く。
本組合創立40周年を迎え、上野精養軒にて記念式典及び祝賀会を盛大に開催する。
【2000年】
塩ビ素材の可塑剤フタル酸エステルに関し、環境ホルモン作用の懸念問題が起きてきたことに対し、前向き対応して行くため材料メーカー・インキメーカー製品加工メーカー及び試験機関の協力を得て、非フタル酸系新素材並びにその他新素材の研究開発に取り組む。研究の結果、当空ビ製品業界としては自主的に2001年より「非フタル酸系新素材」の導入を図る方針を決定する。
【2001年】
原則として乳幼児対象の空ビおもちゃを対象に「非フタル酸系新素材」の導入を推進し、マーケット対応を図る。同時に非フタル酸系新素材を使用した場合の「材質表示」の周知徹底を図る。
厚生労働省から、食品衛生法に基づく「おもちゃ」規格基準の一部改正案が発表され、乳幼児対象の塩ビ玩具に関しフタル酸エステル類(可塑剤)の使用が規制される。これに基づき玩具安全基準の一部改正が行われる。
【2002年】
研修会及び説明会を開催し、2002年改正基準の要点、非フタル酸系素材導入対象の空ビ玩具及び「商品別対象年齢」ガイドライン、ST検査における検査の簡略化、費用軽減措置等々について周知を図る。
【2003年】
‘93年以来の冷夏となり、夏物関連製品は大きな打撃を受ける。当組合は国、都に対し「冷夏緊急措置」を要望する。この年、SARS(新型肺炎)問題、BSE(牛海綿状脳症)問題、鳥インフルエンザー問題など、予期せぬ問題が起きる。
【2004年】
前年とは一転して、連日30度を越す記録的な真夏日が続く。夏物関連製品は好天に恵まれ流通在庫も大幅に改善される。一方では国内外において集中豪雨や大型地震による災害も多発する。
【2005年】
原油価格は1バーレル70ドルを突破し、プラスチック関連材料も大幅に値上がりした。非フタル酸素材使用製品の販売促進を図るため、当組合において「非フタル酸統一マーク」を考案し、平成18年度販売品からパッケージ等に表示して販売することを決定する。(同マークは当組合にて商標登録)また、全国の販売店及び業界紙に対し、空ビ玩具及びレジャー用品の「安全基準や合格マーク」PRキャンペーンを行う。
【2006年】
「2006年東京おもちゃショー」(会場:東京ビッグサイト)に当組合小間を出品し、会員から募集の新製品の展示、需要及び販路の開拓、空ビ製品に関する安全基準や合格マーク並びに業界のPRに努める。
【2007年】
「ベトナム高周波ビニール業界視察」を実施する。ベトナム商務省、JETRO日本事務所を表敬訪問の後、ハノイ・ホーチミン市のプラスチックフィルム工場、高周波ウエルダー製品加工工場、プラスチック成型工場、製法工場など、約10工場を視察する。
【2008年】
本組合創立50周年を迎え、上野精養軒にて記念式典及び祝賀会を盛大に開催する。
4月には食品衛生法に基づく「おもちゃ規格」と製造基準の大幅改正が行われ、同年10月1日より施行される。これに伴い玩具安全基準も改正され、当組合としてもこれに併せ空ビ玩具の基準見直しを行う。アメリカのサブプライム問題に端を発し、9月のリーマンショック以降世界経済の状況は一変し、景気の低迷は長期化する可能性の高い厳しい状況に入る。